ミステリー好きは避けて通れない!個人的 金田一耕助シリーズおすすめベスト3
キーワード 横溝正史 金田一耕助
こんにちは、端くれ文系東大生の端ビロコウです。
私ミステリー小説が大好きでございます。
本格的にミステリーを読み始めたのは、やっぱりこの名探偵金田一耕助が登場する横溝正史さんの作品でした。
首なし死体、妖艶な美女、素性のわからぬ若い男、気味が悪い伝承・・・
場面設定から何から引き込まれ、父の本棚にあったものを借りて勝手に読み漁り、本棚にあるものを読み終わってからは本屋に行って片っ端から買って読んでいました。
今も私の本棚の一角は横溝正史ゾーンです。
今回は、全部ではないですが、長編は大体読んだ私が個人的に「好きな金田一耕助シリーズの作品ベスト3」を発表したいと思います。
3位 黒猫亭事件
こちらは金田一シリーズ1作目の『本陣殺人事件』の中に収録された中編物ミステリー。
東京のとある街の酒場「黒猫」の庭で発見された顔の識別できない若い女の死体。姿をくらませた酒場の主人とその奥さん。酒場の主人も奥さんも相手に隠れて浮気をしており、警察は死体が奥さんなのか主人の浮気相手なのかに苦しむ。
と言った展開です。
好きなポイント:横溝さんからの挑戦状
横溝さんは冒頭で、この作品は「顔のない死体」の殺人事件であり、この場合犯人は殺されたと思われていた人である、つまり加害者と被害者が入れ替わっているトリックなのだと提示した上で、「今回はそれ以上の結末」であると言い切って始まるのです!
いやー、チャレンジャーですねえ。
こう言われると「負けるかー」と思ってしまいます。
そして、想定以上の結末!
してやられました。
また、中盤までの誘導の流れが素晴らしいなあと思う作品です。
2位 夜歩く
金田一シリーズ3作目の作品。
語りの視点は屋代寅太という青年。屋代青年は友達の仙石から妹の八千代の夢遊病と彼女が起こした狙撃事件について相談され、八千代の実家の古神家へ向かう。仙石の父も夢遊病者であり、父が夢遊病で無意識のうちに人を殺してしまうのではないかと思った仙石は家にあった妖刀を金庫に隠す。
しかし、その晩誰か判別できない首なし死体が発見される。金庫の中の妖刀には血がべっとりとこびり付き、死体発見現場には夢遊病者のスリッパのあとが・・・
好きなポイント 登場人物の魅力
登場人物が比較的少ないのにもかかわらず、一人一人のインパクトが強い。
猛烈に官能的だが子供っぽさもある悪女の八千代や
友達でありながらも屋代に対し蔑みの視線を抱く仙石など
登場人物の関係性や特徴がしっかりしていて、ストーリーや登場人物が他の作品よりも身近に感じられる部分が大きいです。いつも以上にドロドロしてる。
それでいて夢遊病など特別な要素を入れてきており、独自の世界観があるなあと思います。
犯人もかなり意外なので、騙される人多数! 全体として楽しめる作品です。
1位 獄門島
金田一シリーズ2作目の長編です。
なぜか、ベスト3がシリーズの1〜3作目になってしまった。これは偶然。
金田一の戦友鬼頭千万太が亡くなり、そのことを知らせに訪れた金田一は獄門島を訪れる。千万太は死ぬ前に「自分の妹たちの命が奪われる」と心配していた。千万太の葬儀が行われた夜、妹の一人、花子が俳句の言葉になぞらえて殺される。そして、その他の二人の妹たちも・・・
好きなポイント 金田一シリーズの要素全部乗せ!
俳句になぞらえた見立てたおどろおどろしい殺人、古い慣習に縛られた島の人々、犯人あての困難さ・・・ 金田一シリーズの魅力が詰まった作品かなと感じます。
今の日本ではありえない慣習や伝統に満ちたイヤーな薄暗い雰囲気が見事に描かれていて、作品のハラハラ感を引き立ててくれます。
「悪魔の手毬唄」も近い魅力があるのですが、あれはちょっといくらなんでも血縁関係が気持ち悪いので、個人的にはもう少しさっぱりしている獄門島の方が好きですね。
一番犯人の検討がつかなかったです。最後まで全くわからなかった。
魅力もトリックも鮮やかな作品です!
横溝正史さんの作品はどれをとっても面白いと思います。
ぜひ、読んでみてください!