端くれ東大生の一人ビブリオバトル

読書と散歩とアーセナルが大好きな端くれ東大生の私の考え方を作ってくれた本、考え方を変えてくれた本をテーマ別に紹介していきます。

圧倒的青春!夏に読みたい青春小説 個人的ベスト3

キーワード 圧倒的青春

 

こんにちは、端くれ文系東大生の端ビロコウです。

夏になると青春を感じる小説を読みたくなるのは、私だけでしょうか?

部活と勉強で消えた自分の青春を取り戻したいだけなのかなあ、とか思ったり。

 

今回は、ほろ苦い青春を感じさせてくれる大好きな本を3冊ご紹介します!

 

翼はいつまでも 川上健一

1960年代の青森を舞台に中学3年生の神山くんが

 

野球を通じた仲間との喧嘩と絆

ビートルズからもらった勇気と服従させようとする大人への抵抗

十和田湖を舞台にした壮絶な過去に苦しむ女の子との恋

 

全てを感じながら成長していく王道の青春物語です!

 

体罰やら不純異性交友やら今ではありえない内容が登場し、最初は時代のギャップを感じます。

ですが、友達との関係・大人への反抗心、恋 と思春期の悩みといういつの時代も変わらないモノが中心にあり、神山くんに感情移入しまくることは間違いなし。

 

 

読み終わってからの「爽やかさ」は、汚くなってしまった今の自分の心を洗い流してくれるように感じました。

 

ランナー  あさのあつこ

高校生の天才長距離ランナー 碧季がランナーとしての挫折と家族の問題に苦しみながら、再び自分と向き合い走り出す青春ストーリー。

 

あさのあつこさんといえば「バッテリー」や「The MANZAI」など協力しあいながら高め合っていく青春物語が多いですが、「ランナー 」は少し違う。また、タイトルから連想される純粋なスポーツ物語とも違います。

 

挫折の経験母の妹への虐待などの高校生には抱えきれない苦しみを、長距離走と同じよう一人で孤独に闘おうとする主人公とそれを支えようとする周りの人々の優しさ

登場人物は皆、順風満帆には行かず、何かしらの苦しみを抱えています。

思春期に抱えてしまういろんな悩みと葛藤。

 

 

モヤモヤしながらもなんとか方向を見つけて進んでいこうとする人を後押ししてくれる作品です。

 

GO 金城一紀

在日朝鮮人の国籍で都内の普通の高校に通う主人公が、不思議な女の子との恋をきっかけに、自らのアイデンティティと差別に揺れながら進もうとする青春ストーリー。

 

帰属している集団のレッテルで評価されてしまうことへの怒り、

偏見を取り払った先の本当の自分を見て欲しいという切実な願い

 

主人公のように国籍にまつわる差別を受けていなくても、思春期には共通して抱えてしまう怒りと願いではないでしょうか。

僕自身中学の時にガリ勉優等生」というレッテルの中で、そうではない部分を見て欲しいと悩んだ時期がありました。

些細な悩みですが、本当の自分とはなんなのか、それをわかってもらうにはどうしたらいいのか悩んでいたことを思い出し、スケールは違うけどこの主人公には感情移入せざるを得ませんでした。

 

アイデンティティに悩む人へぜひ読んで欲しい一冊です。

 

 

 

爽やかな恋愛小説とか女性の目線のものはあまり入れられませんでした。

様々な視点のものに広げて読んでいきたいです。