騙される快感!端くれ東大生が「あっ!」と言わされた小説3選
キーワード 騙される快感
こんにちは、端くれ東大生の端ビロコウです。
僕は昔から謎解き・パズル・ボードゲームみたいな頭を使うものが好きです。
論理を組み立てて最適解を引き出せた時とか狙った罠にきれいに相手をはめられた時には喜びを通り越して「快感」を感じます。(性格がよくない笑)
同じような「快感」を求めてよくミステリー小説も読みます。
犯人・動機・トリックをきれいに予想できた時には、やっぱり「快感」!
でも、僕は中学生の時に出会ったある作品のおかげで、逆にあまりにもきれいに騙された時にも「快感」を感じるということに気付きました。
純粋に文章の力ってすごいなと。
今回は、私が騙される「快感」を味わった作品を3冊紹介します。
皆さんもぜひ騙されて欲しいなあ。
端ビロコウ的 騙された「快感」を感じる作品の共通点
1「後半になっても犯人がわからない」
後半になると生存者が減り、容疑者が絞られてきてしまって、作家の傾向からして犯人がわかってしまうことはよくあります。
いい作品であったとて、わかってしまうことも有ります。例えば、僕は横溝正史さんの金田一耕助シリーズも大好きですが、読みすぎてしまったので、トリックはわからないけど犯人がわかってしまうことはしばしばです。
犯人視点の作品でない限り、ミステリーでは最低限の要素ですよね。
2「トリック・仕掛けがきれい」
犯人分からなかったけど、種明かしされたら「それはずるいだろ」って言いたくなるトリックってありますよね。
この間読んだ作品なんか、被害者が謎の特殊能力で死んだことになっていて、本を投げそうになった。そんなのアリかよ。
こういうのは騙されても「快感」になりません。
3「2回目に読んでも面白い」
仕掛けがある作品はなんといっても、一回読んだら犯人とかトリックがわかってしまい読む価値が半減してしまうものですよね。でも、いい作品ほど犯人の記憶が抜けなくて、まだ読んでいない自分に帰りたくなります。
トリックを覚えているからこそ楽しめる要素も有ります。2回目に読むと「だからここでこの発言をするのか!」という発見ですね。これが出来る作品が作り込まれていることを感じられて、「快感」を増幅させてくれます!
では、ここからは個人的に上記3つの共通点を満たしていると感じる作品を紹介したいと思います。
十角館の殺人 綾辻行人
僕が騙され「快感」童貞を卒業した作品です笑
綾辻行人さんの「館」シリーズの最初の作品。
ある無人島にある奇妙な十角館に集まった大学ミステリー研究会のメンバーたちが、連続殺人事件に巻き込まれて行くというお話。話は殺人が行われる島の内部と殺人事件の調査を行う本土の人々の2部が交互に進んでいく形になります。
「連続殺人」
「犯人は仲間の中にいる」
「怪しい仕掛けのある奇妙な館」
とよくあるミステリーの要素てんこ盛り!
やり尽くされた王道をいっているにも関わらず、トリックの鮮やかさに脱帽でした。
最後の最後まで犯人は分からなかったです。
押しつけは嫌いですが、これだけは読んだことがない人は絶対に読むべき!
ふぅ、熱く語りすぎました。
ぜひ、素直な気持ちで読んで、騙される快感を味ってみてください。
扉は閉ざされたまま 石持浅海
こちらは、犯人が最初からわかっている「刑事コロンボ」パターンの作品。
同窓会で久しぶりに集まった機会を狙って、伏見亮輔は後輩の新山を殺害。
その後、伏見は他の人が殺害現場の部屋に入れないように工作を施し、完全犯罪を目論むのだが・・・。といったあらすじです。
犯人当ての面白さはないものの、この作品は犯人:伏見亮輔と探偵役:碓氷優佳の「論理的な会話の攻防」が非常に面白いです。
犯人視点で描かれるため、論理で追い詰められる犯人のハラハラ感を味わえるのもオススメの一つ。
意外な結末を迎えるのも予想を裏切ってきて「快感」でした。
片目の猿 道尾秀介
ミステリー小説ではないような気がしますが、これも鮮やかに引っ掛けられた作品。
道尾さんは大体の最後に「大どんでん返し」を仕掛けてきますが、一番「仕掛けがキレイだな」と感じた作品です。
道尾さんの作品だと「向日葵の咲かない夏」も好きですが、あちらは読後感がニガウリを食べたよう「苦味」だけが残るのに対して、こちらの作品はキレイなトリックに騙されたという「爽快感」と自分が解釈においてを潜在的なバイアスに塗れているか実感する「苦味」を両方味合わせてくれる作品です。
読み終わってすぐ、答え合わせをしたくなる作品間違いなしです。